雨量計の起源は、お隣の国韓国です。朝鮮第4代王として1418年から1450年まで在位した世宗大王が、1441年に雨量計を開発したのが、雨量計と降雨量観測の歴史の起源です。大王はこれを「測雨器」と名づけ1442年、都ソウルと各道の郡県に設置して観測を義務づけました。科学的手法で各地方の降雨量の分布を把握し、国の農業を計画的に治めることをめざしたのです。ヨーロッパに先立つこと200年も前のことでした。ヨーロッパでは、1639年イタリアのガステレが雨量計で降雨量観測をはじめたのが最初と言われています。
「測雨器」は円周7寸(14.7cm)、高さ1.5尺の円筒形で、石の台座の上に置かれています。その実物は現在、朝鮮民主主義人民共和国の気象庁に宝物561号として保存されています。
雨量計のいろいろ
貯水型雨量計には、受水器が集めた降水を雨量ますと呼ばれる容器に貯め、その深さを観測する貯水型指示雨量計と、貯水槽に導いた降水の重さで記録ペンを駆動し、記録紙に貯水量の時系列を自動的に記録する貯水型自記雨量計とがあります。 |
雨量計の内部に、シーソーの支点(転倒軸)上で結合された2つの容器(ます)からなる転倒ますと呼ばれる機構を持ちます。受水器が集めた降水は一方のますに注ぎ込み、一定量がたまると、その重さによってシーソーが転倒し、降水はもう片方のますに注ぎ込むようになる。これを繰り返して左右交互に転倒する回数を数えることによって雨量が測られます。 |
観測所からレーダービームを出し、その反射エコーをとらえ観測することで特定地域の雨や雪の状況を分析します。広い範囲の降水量を把握できるという長所がありますが、一方では誤差も生じるため、地上の雨量計と両方を使ってより正確な観測をします。 |